平成24年度子ども・若者地域支援ネットワーク形成のための研修会事業 

1回 講演会・ワークショップ

子ども・若者を取り巻く行政・政策の現状と課題-わが国の状況と、海外の状況-

日時:727日(金)13時~17

講師:関口昌幸氏(横浜市政策局政策課)

   平塚眞樹氏(法政大学社会学部教授)

 

平塚氏は若者支援政策が先進的なヨーロッパ、とくにフィンランドにおける若者政策や若者支援の中核をなすユースワークについて述べられた。ユースワークは主に10代を対象として就学・就労以外の余暇活動や、地域の市民的活動を豊かにつくりあげるためのノンフォーマル教育であり、実例として、あるユースセンターで行われた新聞記事の作成活動や音楽・映像制作活動があげられた。
ヨーロッパの若者政策の考え方を取り入れて若者支援を行う横浜の、地域若者サーポートステーションがこども青少年局や地域のユースプラザ等の他の機関と連携をとって行っている就労支援事業についてや、中高生を対象とした仲間や地域の大人との交流を目的とした様々な活動ができる青少年の居場所づくりの必要性について関口氏は述べられた。青少年の居場所づくりに関しては、まだ社会において必要性が明確に理解されていないことから批判的な意見もあるという。
ヨーロッパ、横浜の事例から、若者支援が困難を抱える子ども・若者を対象とするものだけではなく、文化的活動や世代間交流なども含めた幅広いものであると気づくことができた。 

報告ブログ:

http://ameblo.jp/youth-empowerment/entry-11323574736.html

 

 

▽第2回 講演会・ワークショップ

社会的困難を抱える若者のキャリア支援の実践と課題-子ども・若者育成支援推進法の意義-

日時:926日(水)13時~17

講師:金澤信之氏(神奈川県立田奈高等学校教諭)

   松田考氏(札幌市若者支援地域総合センター副館長)

   深澤秀明氏(静岡中央高等学校校長)

   松井清和氏(豊橋市教育委員会生涯学習課)

 

就労支援機関や保健福祉機関やNPOなど外部機関への橋渡し的役割を担っている札幌市若者支援総合センターでは、社会的に困難を抱えている若者だけでなく、(高校に通っていたりする)ふつうの若者に対しても、施設を開放して居場所づくりやイベントを行うなどの活動を行っている。これは活動の中で、“社会的に困難を抱える前”にサポートをするための活動だと松田氏は述べられた。
クリエイティブ入試(学力テストがなく、面接・グループ活動の試験で入学可能)を導入している田奈高校では外部機関と連携を行い、キャリア支援を行っている。時間がない中で教師のあり方について、専門職としての教師ではなく、社会の状態を把握し、外部と学校をつなげる“調整者”としての役割をもつ専門職へと変化していくべきであると金澤氏は述べられた。
子どもや若者、外部の支援機関、学校、地域といった包括的な連携を目指すにあたり、現状・成果・課題・今後についてなど支援地域協議会設置に向けての可能性を見出せた。
しかしまだ各機関同士の壁が立ちはだかるため、民と官の協力が求められる。

報告ブログ:

http://ameblo.jp/youth-empowerment/entry-11371828798.html

 

 

▽第3回 講演会・ワークショップ

子どもの市民社会への参画支援の実践と課題-ヒア・バイ・ライトの活用-

日時:10月20日(土)10時~15時30分

講師:村井琢哉氏(NPO法人山科醍醐子どものひろば副理事長/事務局長)

   伊藤一美氏(NPO法人名古屋子ども&まちネット理事長)

 

子どもの参加・参画をすすめるための道具であるヒアバイライトの日本での活用の可能性について、現時点では子ども・若者の意見を取り入れる手法まで国は落とし込めていないという課題がある。しかし伊藤氏は、日本国憲法や子どもの権利条約、子ども・若者育成支援推進法などに参画の権利に関する記載がされているため参画の文化を創るための理念を広く社会に啓発したり、PDCAサイクルに明快な評価項目を入れたり、他分野の人にもスタンダードや指標作りに関わってもらったりするなどして、ヒアバイライトを日本で活用させるための具体的な方法を提唱した。
参加者からは「 地域活動(社会貢献)の大切さを改めて再確認できた」「参画が若者だけの問題ではなく、地域や社会全体に関わる多面的なものだと実感できる内容でした。」など、子ども・若者の参画について向き合える機会となった。静岡県内の子ども・若者の社会参画を支援するNPOや市民団体などの各機関の今後の活動において、子ども・若者目線で事業を展開していくことを望む。

報告ブログ:
http://ameblo.jp/youth-empowerment/entry-11384351136.html

http://ameblo.jp/youth-empowerment/entry-11384612954.html

 

 

▽第4回 講演会・ワークショップ

若者の主体化と若者自身による社会参画

日時:11月24日(土)13時~17

講師:児美川孝一郎氏(法政大学キャリアデザイン学部教授)

   春日川孝氏(仙台市中央市民センター)

   RRRプロジェクト(東京)

   わかもの科(東京)

   YEC(若者エンパワメント委員会)

 

児美川氏には現在の若者を取り巻く社会的問題を経済や社会環境の変化という視点から明らかにしていただいた。従来の大人への移行プロセスが変容し、それに伴い若者たちの意識の中には「社会」というものがなくなってきている。若者たちは学校という現在の社会情勢から切り離された場所で生活しているために、社会状況をふまえ能動的に考える機会を得ることが困難化している。この状況を乗り越えるための取り組みとして、学校の“内”と“外”をつないでいく視点をもつこと、若者が身近なこととして社会現象を取られることができるようにしていくことが必要であると児美川氏は述べられた。
後半は児美川氏の講演により知ってもらった社会背景を踏まえ、実際にどのような活動が必要なのか、先進的に実践活動を行っている方々にお話をしていただいた。わかもの科では、学校でワークショップを行い社会に関心を持ち、考え、主体的に関わるきっかけの提供している。RRRプロジェクトでは、児童館や青少年施設、社会教育活動などに関わる中高生活動の支援や、自主企画としての地域活動、行政に対して子どもに関する政策提言などを行っている。ジュニアリーダーの育成も行っている春日川氏は、仙台市のジュニアリーダーの体験談として被災した少年が体験談を語る映像を流し、その上でジュニアリーダーとして活動していく意義についてお話しされた。YECは仲間や周囲の大人と協力し合い自主企画を企画実行する事業について紹介した。

 

 

▽第5回 講演会・ワークショップ

貧困と若者支援-高校中退問題から始まる社会的包摂-

日時:12月14日(金)10時~15時30分

講師:青砥恭氏(NPO法人さいたまユースサポートネット代表理事)

   湯浅誠氏(反貧困ネットワーク事務局長/NPO法人自立生活サポートセンターもやい理事)

 

青砥氏は社会の周縁にいる子ども・若者の現状や原因について述べられた。貧困や虐待などが原因としてあげられる。有償にすることで困難を有する子ども・若者の居場所をなくしてしまうことのない環境作りが必要である。また困難を有するも有さないも関係なく、みんなそれぞれ元気をあたえたり、もらったりできるような子ども・若者支援地域協議会が理想的であり、その前提として各機関の連携できていることが必須となる。
湯浅氏には社会全体の構造について触れていただいた。現在の社会構造は、国・企業・正社員の3つからなる傘が縦にならんでおり国の傘が閉じていけば、その下にいる企業や正社員の傘も閉じていき、傘に入れない非正規雇用者や母子家庭が多く存在してしまう。そして傘に再び入るには非常に厳しいという見解である。行政と行政、民間と民間、行政と民間の3つの連携、横のつながりをつくることが今後の課題だと述べられた。
参加者から「連携という部分を改めて考えさせられました」「いろいろな分野の方のお話をうかがえることができて良かったです」という声もあり、ネットワークの形成の重要性を深めることができた。しかし子ども・若者をとりまく環境整備が不十分であることをより多くの子ども・若者の支援者が認識しなければならない。

報告ブログ:

http://ameblo.jp/youth-empowerment/entry-11429439311.html

http://ameblo.jp/youth-empowerment/entry-11435075311.html

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